『アッチむいて恋』感想
『アッチむいて恋』が終わりました。
感想を書こうと、ふと思ったのですが……
私ってゲームの感想を書くの上手じゃないなと今更気付きました。
以下、相変わらず纏まっていない感想ですが、一応書きました。
全体としての感想は、想像以上の出来でかなり満足。
元々このゲームはメーカーを知ってるが故、ハードルをそこまで上げずに挑んだというのもありましたが…
それでも十分すぎるほど楽しめました。
『素晴らしき日々』ほど絶賛するわけではありませんが、今までのASaProjectの中では一番面白かったと思います。
共通はとにかくバカゲー。
そして個別において、ルナと美奈子のルートはシリアスで、優由と朱のルートは共通に引き続きコメディという位置づけ。
……あと、かぐやルートは……シリアスなんですけど……正直これは失敗でしょ。
一つずつルート感想をプレイした順番に書くと…
ルナルートについては、あまり多くを語りません。後にhttp://www.k2.dion.ne.jp/~chitei/jitumai.htmlにて書きますので。
とにかく2人が想い悩む兄妹ならではの真面目なシナリオ。心理描写面が大きなベクトルを占めています。
兄も妹も適当な考えに走らず、しっかり考えているのが好印象。
完璧な出来ではありませんが、私の中でのアサプロの予想限界を上回っていたので、十分褒められる出来でした。
そして、次にプレイしたかぐやルート……
かぐやは共通ではかなり輝いていました。
女装であることを逸早く知り、黙っておくことを交換条件に真恵に次々自分の衣装を着せる。
それがもっとも真恵に萌えれたシーンだったりします。真恵の写真が学校に出回ってしまい、謎の美少女として評判になり、その噂を聞いて悶え苦しんだりする主人公がたまらない。
しかし、ルート入ったとたんの恐ろしいほどの失速っぷり。
他のキャラがほぼ完全にフィードアウト。いきなりこのゲームの魅力が激減。
急すぎる展開、かぐやの地雷女寸前の行動、サッパリ伝わらない心理描写など褒めるところを探すのが難しいほど。
時間がなかったのか…・・・色々残念な出来に仕上がってました。
優由ルートは、そこまで長くないシナリオですが、全力投球です。
序盤の理事長の男道が発生。前作ひめはにのマリオの男試験のパロディがあったり。男試験は第3回まであったのに、男道は2回目すらなくて残念。
完全に共通のバカノリのまま進みますが、それでいてちゃんと優由をただのバカキャラとしてだけじゃなく、しっかり芯の通ったキャラとして書いています。
バスタオル一枚で真恵の部屋に駆け込んできて先輩に対する想いを語ったり、黒板のラブレターのシーンなど何故か強く心動かされてしまいました。
女装バレはかなりあっさり。アッサリしすぎて笑ってしまった。
アサプロはギャグ色を一貫したまま、いい話を書けたんだと感心しました。
美奈子は、シリアスムード漂うシナリオ。
女装バレが一番スリリングなルートです。
美奈子と仲良くなるにつれ、次々とボロが出て行く様は見ていてハラハラしました。
今までとベクトルが違いますが、それなりに楽しめたルートです。
ただ、ルート序盤の美奈子と朱の対立はいらないと思いました。普通に見て、どう考えても朱が間違えているんですから。あの一連のシーンをみたら、朱の印象が一気に悪くなってしまいました。
最後にやった朱ルート。
美奈子ルートをやった直後でしたので、朱への悪印象が拭いきれないままプレイしたのですが、これがかなり面白いシナリオで悪印象も簡単になくなりました。
美奈子ルートとは違って、コメディづくしです。
引っ張っていた都会男へのトラウマ理由すらギャグ。
女装バレもギャグ色が強く、美奈子ルートでの女装バレから始まるヘビームードはどうしたんだと突っ込みたくなるほど。
終盤の主人公の引越しから始まるシーンすら、伝言ゲームによるギャグを発生させるなど感心します。
そんなギャグで一貫しながらも、美奈子ルート同様、寮のみんなの温かさに触れて帰るといったところに落ち着きます。
優由ルート同様、ギャグでありながらいい話でした。
こんな感じで、かぐやルート以外は良かったと思ってます。かぐやルート以外は。
そして、不満点を書くならば…
まず、女装ゲーとしてはイマイチです。
女装がシナリオ上大きな役割を果たしていて、ストーリーにもそれは生かされているのですが、萌えはほとんど存在しません。
女装主人公萌えがあるのは、共通ルートでのかぐやとの絡みとあとは一部のHシーンぐらい。せっかく容姿がいいのにもったいない。
そして、発売前投票1位を記録した杏樹もやっぱり攻略不可。その上、出番も思ったより少ない。こちらももったいない。短いオマケシナリオでもあったら良かったのに。
しかし、アサプロも商業3作目まで作った事ですし、そろそろ今までの作品を纏めてFDを出す頃だと思うのですが、どうでしょうかね?
あと、慎吾が本気で気持ち悪い。
この手のゲームでそっちの気のある男友人は最近それほど珍しくないですが、ここまで気持ち悪い男は珍しい。笑えない気持ち悪さ。ここまで気持ち悪く書けるのはある意味感心しました。
私としては、慎吾の存在を削って、杏樹の出番を増やしてほしかった。
主人公に言い寄る相手を杏樹にしてくれたら、私的には嬉しかったのにw
結果として、不満点はあるものの、実妹ゲーとしてだけではなく、全体として見てもかなり満足できたゲームです。
ASaProjectの今後にも期待します。