雪火宅、自室、休日、夜

「はぁ…」
雪火はベッドの上で今日何回目になるか、わからないため息をついた。
今日、允と別れて家についてから、ずっとこのままだ。

いま、家に母親はいない。
どこかに出かけているようだ。
正直、雪火にとってそれはありがたかった。
(帰ってきたら、根掘り葉掘り聞かれるな…)

「はぁ…」
また、ため息をつきうつ伏せになった。
雪火の脳裏には今日の出来事。
つまり、允との出来事ばかりがよみがえってくる。
映画館。ハンバーガーショップ。公園…
雪火は少し思いを馳せてみた。